Treasure Data CDP<第24弾>Treasure Data CDPとGoogle スプレッドシートを連携してみた!(後編)
投稿者:岡田

NI+C マーケソリューションチームです:)
本Tech Blogでは、NI+Cで取り扱っているTreasure Data CDPを紹介していきます。
本ブログは前編・後編の2部構成になっています。
本日は後編として、Treasure Data CDPからGoogle スプレッドシートへのデータアウトプットについて解説します。
「Treasure Data CDP<第22弾>Treasure Data CDPとGoogle スプレッドシートを連携してみた!(前編)」こちらも併せてお読みいただくと、さらに理解が深まると思いますので、ぜひご覧ください。
アジェンダ
1.Treasure Data CDPのアウトプットについて
2.クエリによるアウトプット
3.ワークフローを用いたアウトプット
4.Audience Studioからのアウトプット
5.まとめ
1.Treasure Data CDPのアウトプットについて
前編ではGoogleスプレッドシートからTreasure Data CDPへのデータインプット方法をご説明しました。
Treasure Data CDPでは、あらかじめ実装された連携コネクタが提供されているため、インプットと同様にアウトプットも簡単に行うことが可能です。
今回は、アウトプットする方法として代表的な3つをご紹介します。
※後編では、前編で使用したGoogleスプレッドシートとは別に、新たにアウトプット用のGoogleスプレッドシートを準備し、アウトプット方法ごとに別のシートに出力しています。
2.クエリによるアウトプット
Treasure Data CDPではクエリによるアウトプットが可能です。
クエリを使ったアウトプットの特徴は、その手軽さにあります。抽出したいデータに応じてSQLを実行することで、即座に結果を得ることができます。
たとえば、特定のデータを今すぐに抽出したい場合、クエリによるアウトプットは最適な方法です。
今回は、あるスーパーの1日における商品ごとの売上数をアウトプットしていきたいと思います。
今回使用するデータを紹介します。

これは、とあるスーパーの10月分の売上表を想定しています。
売上表の項目としては、顧客ID、注文日、商品名、カテゴリーなどがあり、全体で10,000レコードあります。
1:アウトプットするための設定
前提として、Authenticationが作成済みであることを前提に説明を進めていきます。
※もし、Authenticationが何かわからない方は、「Treasure Data CDP<第22弾>Treasure Data CDPとGoogle スプレッドシートを連携してみた!(前編)」をご覧ください。

ではまず、クエリを実行する画面の右上にある「Export Results」にチェックを入れます。

チェックをいれると、既存の接続を使用するか新しく接続するのかを選ぶ項目が出てきます。
今回はAuthenticationを既に作っているので、赤枠で囲っている既存の接続を選択します。

アウトプット先に指定するスプレッドシートの情報を入力する画面に切り替わります。
今回は、赤枠で囲まれている部分にチェックを入れてスプレッドシートキーを使用する方法で行います。

こちらがスプレッドシートキーを使用する入力画面になります。
今回は、ワークシートタイトルに「10/13」というシート名を指定しており、赤枠以外の部分はデフォルトのままとしています。
スプレッドシートキーの確認方法を含めた詳細については、前編に記載されていますので、そちらをご覧ください。
※なお、スプレッドシートキーはセキュリティのためモザイク処理をしています。
全ての入力が完了したら、右下の「Done」ボタンを押して内容を確認します。

先ほどのクエリ画面に戻ると、アウトプット先が設定されていることがわかります。
これでアウトプットするための設定は完了です!
2:クエリ画面で実行したいクエリの実行
準備が整ったので、抽出したいデータを得られるようなクエリを書いて実行していきます。

今回は、2024年10月13日の各商品ごとの売上個数を抽出するクエリを書いてみました。
このクエリを使って、この1日でどの商品がどのくらい売れたのかを確認することができます。

次に、右上の「Export Results」にチェックが入っていることを確認したうえで、「Run」ボタンをクリックしてクエリを実行します。
3:確認

アウトプット先のスプレッドシートの「10/13」のシートに想定通りアウトプットされていることが確認できます!
以上がクエリ画面によるアウトプットになります。
3.ワークフローを用いたアウトプット
Treasure Data CDPではワークフローよるアウトプットが可能です。
ワークフローを用いたアウトプットの特徴は、その高い汎用性にあります。複雑なデータ集計処理でも、日次や週次で自動的に実行することが可能です。
たとえば、毎日決まった処理を手動実行していて、自動化したいという方に最適な方法です。
今回は、あるスーパーにおいてワインを頻繁に購入する人を日次で自動的にアウトプットし、リスト化していきたいと思います。
ワークフローとは?どうやって作るのかわからない人はこちらをご覧ください!
「Treasure Data CDP<第6弾>Treaure Workflow とは(前編)」
「Treasure Data CDP<第7弾>Treasure Workflow とは(後編)」
今回使用する2つのデータを紹介します。

上記は、とあるスーパーの10月分の売上表を想定しています。
売上表の項目としては、顧客ID、注文日、商品名、カテゴリーなどがあり、全体で10,000レコードあります。

上記は、先ほど紹介した売上表に対応する顧客リストを想定しています。
項目としては、顧客ID、メールアドレス、電話番号などがあり、合計で2,000レコードあります。
※デモデータではありますが、氏名や電話番号はモザイク処理をしています。
1.ワークフローの作成

ワークフローを設定するために、拡張子が.digのファイルを作成します。
上記は、今回作成したdigファイルの内容です。
青枠の部分では、ワークフローのスケジュールを設定しています。今回は、毎日17:40にワークフローが起動するようになっています。
赤枠の部分では、実行するSQLとアウトプット先のスプレッドシートの情報を設定をしています。
~以下項目説明~
(td>:)「sample.sql」という別のファイルに書かれたSQLを実行するように指定しています。
(result_connection:)接続先を選択します。使用するAuthenticationを指定します。
(spreadsheet_id:)連携先のスプレッドシートキーを入力します。(モザイク処理を行っています)
(sheet_title:)アウトプットしたいシートの名前を入力します。今回は「WF」というシートにアウトプットします。
(mode:)データのアップロード方法を設定します。今回は「replace」としています。

SQLの内容は上記の通りです。
ワインを1000円よりも高く購入した顧客の情報を抽出するSQLを作成しました。
このクエリにより、毎日ワインを1000円よりも高く購入した顧客のリストがスプレッドシートに連携されます。
それでは、実際にワークフローを実行してみましょう!
2.ワークフローの実行

ワークフローを実行する画面に移動して、右上の赤枠で囲まれている部分に次回のスケジュールが設定されていることを確認します。
次回のスケジュールが本日の17:40に設定されていることが確認できます。

スケジュールに設定した通り17:40になるとワークフローが実行されます。そして、上記のように「SUCCESS」と表示されれば実行完了となります。
それでは、スプレッドシートの方にアウトプットされているのか確認してみましょう!
3.確認

アウトプット先のスプレッドシートの「WF」という名前のシートに想定通りアウトプットされていることが確認できます!
以上がワークフローを用いたアウトプットになります。
4.Audience Studioからのアウトプット
Treasure Data CDPでは、Audience Studioを利用してアウトプットすることが可能です。
Audience Studioの特徴は、SQLを一切使用せずにセグメントを作成し、アウトプットできる点にあります。
SQLの知識がない人でも、簡単にセグメントを作成して必要な情報を取得することが可能です。
※Audience Studioについて分からない方は「Treasure Data CDP<第15弾>アップデートされたAudience Studioのご紹介! 」をご覧ください。
今回は、あるスーパーで12月に飲料水のキャンペーンを実施する設定でアウトプットを行います。
今回使用する2つのデータを紹介します。

上記は、とあるスーパーの10月分の売上表を想定しています。
売上表の項目としては、顧客ID、注文日、商品名、カテゴリーなどがあり、全体で10,000レコードあります。

上記は、先ほど紹介した売上表に対応する顧客リストを想定しています。
項目としては、顧客ID、メールアドレス、電話番号などがあり、合計で2,000レコードあります。
※デモデータではありますが、氏名や電話番号はモザイク処理をしています。
1.ペアレントセグメント(マスターセグメント)の作成
Audience Studioでセグメントを作成するにあたって、前提としてその母集団であるペアレントセグメント(マスターセグメント)を作成する必要があります。
※セグメントの考え方など、もう少し詳しく知りたい方は「Treasure Data CDP <第1弾>Audience Studio の機能でセグメント作成してみた!!」をご覧ください。
ではさっそくペアレントセグメント(マスターセグメント)を作成していきましょう!!

今回は「customer_list」をマスターテーブルとして「customer_id」という共通のカラムを使って、顧客一覧と10月の売上表を結合させてペアレントセグメント(マスターセグメント)を作成しています。
2.セグメントの作成とルールの編集

先ほど作成したペアレントセグメント(マスターセグメント)を選択します。

「12月に向けた施策」という名前でセグメントを作成しました。
次に、セグメントルールの編集を行い、セグメントの条件を設定していきます。

先ほど作成したセグメントが表示されていることが分かります。 そのセグメントをクリックします。

作成したセグメントの詳細ページに切り替わりました。
右上の「セグメントルールの編集」をクリックします。

上記がセグメントルールの編集画面になります。
今回は、飲料水というカテゴリで合計金額が500円を超えるという条件を指定しました。
この設定を保存すると、セグメントの作成とルールの編集は完了です。
3.アクティベーションの作成と実行
では次に、先ほど作成したセグメント上でアクティベーションの作成をしていきます。

まず、「アクティベーション」をクリックします。

アクティベーションの画面へと切り替わりました。
次に、右上の「アクティベーションの作成」をクリックします。
アクティベーションの作成画面では、「詳細」「アウトプットマッピング」「スケジュール」の3つの設定を行います。
では「詳細」から順に設定します。

上記がすべて設定し終わった「詳細」の画面になります。
~以下項目説明~
アクティベーション名:アクティベーションに名前を付けます。今回は「12月に向けた施策」としています。
説明:メモのように自由に記述できます。
認証:接続先を選択します。使用するAuthenticationを選択します。
Spreadsheet Key (Required):連携先のスプレッドシートキーを入力します。(モザイク処理を行っています)
ワークシートタイトル:アウトプットしたいシートの名前を入力します。今回は「施策」というシートにアウトプットします。
アップロードモード:データのアップロード方法を「replace」か「append」から選択します。
Start Location:データを貼り付ける開始位置を設定します。
Batch rows to upload:一度にアップロードする行数を選択します。
Value Input Option:入力データの解釈方法を設定します。

続いて「アウトプットマッピング」の設定を行います。
(アトリビュートカラム)
アウトプットするカラムを選択することが可能です。
変更を加えずにすべての列をエクスポートするには、「全てのカラムを出力」を選択します 。
今回は、顧客名とメールアドレス、電話番号、性別のみをアウトプットするように設定しています。
(ストリングビルダー)
データを外部ソースにアウトプットする場合、追加の文字列が必要になる場合があります。
必要に応じて String Builder を使用して追加の文字列をアウトプットできます。
今回は特に必要ないので何も設定を加えていません。

最後に「スケジュール」の設定を行います。
~以下項目説明~
スケジュール:このアクティベーションを繰り返すかどうかを選択できます。デフォルトでは一度のみ実行されます。今回は繰り返しはしないため、「Does not repeat」を選択します。
開始:スケジュールで「繰り返す」を選択した場合のスケジュールの開始日を設定できます。
Eメールの通知先:通知を受け取るメールアドレスを設定します。(メールアドレスはモザイク処理を行っています)
ステータス更新の取得:このアクティベーションが成功した場合、または失敗した場合に通知を受け取る設定をします。今回は成功を選択しているため、成功した際に通知が届きます。

ここまで設定出来たら、右下の「作成」の右側の「∧」をクリックしてから、「作成と実行」をクリックします。

実行ができたら、アクティベーションの実行状況を確認します。
実行状況の部分が「成功」になっていれば、アクティベーション成功です。
実際にスプレッドシートの方にアウトプットされているか確認してみましょう!!
4.確認

アウトプット先のスプレッドシートにある「施策」という名前のシートに、想定通りのデータが出力されていることが確認できます。これにより、飲料水をよく購入する顧客のリストが作成されています。
このリストを参考にして、マーケターは効果的なマーケティング施策を実行することが可能です。
以上がAudience Studioからのアウトプットになります。
4.まとめ
今回のブログでは、GoogleスプレッドシートからTreasure Data CDPへのインプット方法と、Treasure Data CDPからGoogleスプレッドシートへのアウトプット方法を前編と後編に分けてご紹介しました!
Googleスプレッドシートと簡単に連携できるTreasure Data CDPは、マーケターの皆様にとって非常に魅力的なツールだと思います。今回はわかりやすい例としてGoogleスプレッドシートと連携しましたが、他にも数多くの外部ツールと簡単に連携することができます。
これまでTreasure Dataをあまり使ったことがなかった方々も、この機会にぜひ試していただき、そのメリットを実感していただければ幸いです。
今後も別の外部ツールとの連携方法や新機能の紹介を予定しておりますので、引き続きお読みいただけると嬉しいです!
Treasure Data CDPにご興味を持たれた方はぜひ「こちら」からお問い合わせください
その他、Treasure Data CDP についての記事はこちら↓
セグメント作成について↓↓
Treasure Data CDP <第1弾>Audience Studio の機能でセグメント作成してみた!!
Activationについて↓↓
Treasure Data CDP <第2弾>Audience Studio の機能 Activation を使ってみた!
Predictive Scoring について↓↓
Treasure Data CDP <第3弾>Predictive Scoring のご紹介
データのインポートについて↓↓
Treasure Data CDP <第4弾>Treasure Data にデータをインポートしてみた
SQLを使ったデータの抽出方法について↓↓
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