【NIC x Ops(にこぷす)通信】(Instana番外編)お客様事例に学ぶ!IT運用の限界を突破する「Observability」の実力
投稿者:高巣
目次
- はじめに:今回のテーマ
- 「根性で乗り切るIT運用」の限界って?
- 事例から紐解く!Instana導入の3つのブレイクスルー
- まとめ
皆さま、こんにちは!
このテックブログでは、IT運用に関する内容を連載、「にこぷす通信」をお届けしています。
「NIC x Ops(にこぷす)」とは?
『NIC x Ops(にこぷす)』とは、
私たちの会社であるNTTインテグレーション(NI+C)の運用ノウハウと、
IBMさんの強力なソリューションを
Collaboration(コラボレーション)させた、IT運用高度化シリーズ(Ops)のニックネームなんです。
現代のIT運用の現場は、システムの複雑化や人手不足など、課題が山積みです。そんな現場を少しでも楽に、そしてエンジニアの皆さんが笑顔で「攻めの運用」ができるように支えたい。そんな想いがこの「にこぷす」には込められています。
「にこぷす」には、Instana(可観測性)のほかにも、Turbonomic(リソース最適化)やTerraform(インフラ自動化)など、IT運用を劇的に変える製品がたくさんあります。
これからもこの通信を通して、「IT用語は難しいけれど、中身を知ればこんなに便利で面白いんだ!」というテクニカルな内容をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
1.はじめに:今回のテーマは「事例でわかるInstanaの効果」
みなさま、改めましてこんにちは!IBM Instana担当の高巣です。
前回の第2弾では、実際の画面を交えながらInstanaの3つの強力な特長(ユーザー体験の可視化、依存関係の自動マッピング、コラボレーション機能)について解説しました。「Instanaがどういうものかはなんとなく分かったけれど、実際に導入すると現場はどう変わるの?」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は「番外編」として、実際にInstanaを導入されたお客様の事例をもとに、InstanaがIT運用の現場でどのような課題を解決し、どのような成果をもたらすのかを分かりやすく解説していきます!
2.「根性で乗り切るIT運用」の限界って?
システム開発の世界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進され、クラウドサービスの利用やシステム数はどんどん増えています。しかし、その裏側で運用保守を担う私たちITインフラ・運用担当者の負荷は、確実に増大しています。
今回事例として参考にさせていただく、お客様でも、同じような課題を抱えていらっしゃいました。
- 「DXへの投資で短期間にシステム数が1.5倍、クラウド利用量が2倍になった」
- 「なのに、サーバー数やアプリ数の把握、障害時の状況確認は属人的なまま」
- 「システムが増えたからといって、運用担当者を同じように増やすのは現実的ではない」
皆さんの現場でも、心当たりがありませんか?
管理対象が分散・複雑化するなか、何か障害が起きるたびに、各システムのログをかき集めてExcelでグラフ化し、ベテランのエンジニアが経験と勘(ときには深夜までの残業)で解析する……。
まさに「根性で乗り切るIT運用」です。しかし、ビジネスがITなしでは成り立たない今、この旧来の運用手法では限界が来ています。現場が疲弊すれば、DXそのものが頓挫してしまう。そんな危機感から、今回ご紹介するお客様はInstanaの導入に踏み切りました。
3.事例から紐解く!Instana導入の3つのブレイクスルー
では、Instanaを導入することで、「根性運用の現場」はどう変わったのでしょうか?お客様の事例から、3つの大きなブレイクスルー(成果)を解説します。
ブレイクスルー①:障害調査の時間が「8時間から2時間」へ!
従来の障害対応では、システムが遅い場合、まずはインフラ担当がログを調べ、問題がなければアプリ担当へ……というバケツリレーが行われていました。これでは原因特定に膨大な時間がかかってしまいます。
Instanaを入れるとどうなるか?
前回の記事でも紹介した「自動マッピング」と「トレース(処理フローの可視化)」機能により、インフラなのか、Webサーバーなのか、DBなのか、原因箇所が一目瞭然になります。
依存関係の自動マッピング

上記の画面は、監視対象のサーバーから収集している情報で、Instanaのエージェントを1つ展開するだけで、内部で動いているソフトウェア、データベース、プログラムといったシステム間の連携を自動的に収集し、トポロジーマップ(関係図)を自動生成します。どこでエラーが起き、どこに影響が及んでいるかが視覚的に一発でわかります。
アプリケーション内部の処理フロー

ユーザーのリクエストを受け付けてから応答を返すまでの一連の処理をタイムライン形式で表示します。「どのモジュールが呼ばれたか」「それぞれの処理で何ミリ秒費やしたか」を追跡(トレース)できるため、エラーが発生した場合は「最初にエラーを吐いたコード行(根本原因)」をピンポイントで特定できます。従って、このトレース画面を見るだけで、誰でも迅速な原因特定が可能になります。
実際、こちらのお客様では「人がログから調べると8時間かかっても分からなかった障害が、Instanaを入れると同じ担当者が2時間で結論にたどり着けた」そうです。
「調べるための手作業」がツールによって瞬時に可視化されるため、エンジニアは「見えている事実をもとに判断する」ことだけに時間を使えるようになります。
ブレイクスルー②:最強の機能「URL共有」が組織の壁を壊す!
障害発生時、「インフラ側には問題ありません」という証明のために、画面のキャプチャを撮って、Excelに貼って、チャットで送って……という作業、地味に大変ですよね。
この不毛な手間を解消してくれるのが、Instanaの「URL共有機能」です!
使い方は簡単で、今見ている画面(例えば特定の時間帯の特定のサーバーのグラフ)のURLをコピーして相手に送るだけです。
インフラ担当、アプリ担当、開発者、企画者……全員が「同じ画面(覆しようのない事実)」を見ながら議論できるため、報告や認識合わせにかかっていた無駄な時間が圧倒的に削減されます。
事例でも、「URL1つで事実を共有できるため、これまでの組織の垣根を超えて、一緒に問題解決する動きへ変わった」と高く評価されています。また、グラフや数字で状況が可視化されるため、経験の浅い若手メンバーでも先輩に「ここがおかしいです」とURLを投げて相談しやすくなり、人材育成にもつながっているそうです。
ブレイクスルー③:運用自動化ツールとの合わせ技でコストも削減!
新しいツールを導入する際、立ちはだかるのが「経営層へのコスト説明(上申)」です。「現場の障害対応が楽になります!」だけでは、なかなか決裁が下りないことも多いですよね。
こちらのお客様は、Instanaによる「インシデント対応工数の2〜3割削減」に加えて、別のAI搭載「運用自動最適化ツール(Turbonomicなど)」を併用し、「クラウドコストの最適化(次年度で約10%削減見込み)」をセットで経営層に説明したそうです。
「ツール導入のコストはかかるが、運用工数が下がり、品質が上がり、さらにクラウド利用料自体も下がる」。この全体像を示すことで、運用高度化への投資を実現されました。コスト削減と安定運用の両立は、SEとしてもぜひ知っておきたい提案のポイントですね。
4. まとめ:ツール導入の先にある「運用保守BPR」
今回の番外編では、お客様事例をもとにInstana導入によるリアルな変化をお届けしました。
事例の最後に、お客様がとても重要なことを仰っています。
「Instanaは単なるツールの導入ではなく、IT運用保守プロセスの変革(BPR)である。IT運用担当者を、受け身の作業者から、判断する側へ引き上げる価値がある」
「Observability(可観測性)」というと少し難しく聞こえますが、本質はそこにあるのだと思います。
属人的な調査や経験則に頼っていた運用を脱却し、可視化されたデータをもとにチーム全体で判断し、プロアクティブに動く運用へと進化していく。Instanaは、そんな「運用保守BPR」の強力な武器になります。
「うちの現場でも使えるかな?」と気になった方は、いきなり全社導入するのではなく、現状の課題整理や1〜2ヶ月のPoC(お試し導入)から始めてみるのがおすすめです。
💡今回参考にしたお客様の導入事例は、以下になります。是非ご覧ください。
【鼎談記事/鼎談動画】お客様・日本IBM・NI+Cの3社が語る、障害対応・状況把握・情報共有の変革の“リアル”を徹底解析。
次回予告
「【実践編】テストアプリで検証、「依存関係マップ」の自動生成機能」(予定)
次回の第3弾では、第1弾で構築した環境をさらに掘り下げ、「実際にアプリケーションを入れて監視してみた!」をお届けします。
アプリを1つ入れただけで、噂の「依存関係マップ」は本当に自動生成されるのか?データが流れ込んで画面がどのように賑やかになっていくのか、その感動の瞬間を実際の画面を交えて徹底レポートします!「これなら自社システムでも使えそう!」とイメージが湧く内容をお届けしますので、次回もぜひチェックしてくださいね!
「にこぷす通信」について
「NIC × Ops(にこぷす)通信」は、隔週で皆さまに情報をお届けします。
このシリーズでは、Instana(可観測性)をはじめ、Turbonomic(リソース最適化)やTerraform(インフラ自動化)など、IT運用を劇的に変える製品をピックアップしていきます。
これからも最新の技術検証をチームで継続し、皆さまの現場ですぐに役立つ「有益な知見」を全力で共有していきます。 次回の連載もお楽しみに!