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【NIC x Ops(にこぷす)通信】(番外編)TBM Summit 26 参加レポート

投稿者:高巣

目次

  1. はじめに:今回のテーマ
  2. そもそも「TBM」とは?
  3. 参加レポート
  4. まとめ

皆さま、こんにちは!
このテックブログでは、IT運用に関する内容を連載、「にこぷす通信」をお届けしています。

「NIC x Ops(にこぷす)」とは?

NIC x Ops(にこぷす)』とは、
私たちの会社であるNTTインテグレーション(NI+C)の運用ノウハウと、
IBMさんの強力なソリューションを
Collaboration(コラボレーション)させた、IT運用高度化シリーズ(Ops)のニックネームなんです。

現代のIT運用の現場は、システムの複雑化や人手不足など、課題が山積みです。そんな現場を少しでも楽に、そしてエンジニアの皆さんが笑顔で「攻めの運用」ができるように支えたい。そんな想いがこの「にこぷす」には込められています。

「にこぷす」には、Instana(可観測性)のほかにも、Turbonomic(リソース最適化)Terraform(インフラ自動化)など、IT運用を劇的に変える製品がたくさんあります。

これからもこの通信を通して、「IT用語は難しいけれど、中身を知ればこんなに便利で面白いんだ!」というテクニカルな内容をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

1.はじめに:今回のテーマ

みなさま、改めましてこんにちは!高巣です。

今回は番外編ということで、2026年7月17日(金)にパレスホテル東京で開催された、TBM Council Japan主催の「TBM Summit 26」に参加しましたので、本記事では、当日の様子をレポートいたします。

本イベントは、AI時代における企業戦略、テクノロジー投資、ガバナンス、そして経営との接続をテーマとしたビジネスセミナーです。テクノロジー投資を単なるITコストではなく、経営戦略と競争力に直結する「戦略的投資」として捉え直すための、世界標準のテクノロジー投資管理フレームワーク「TBM (テクノロジー・ビジネス・マネジメント)」の考え方や、国内外の先進企業による実践事例が紹介されました。

NI+Cは、ロゴ協賛いたしました。

2.そもそも「TBM」とは?

TBM(Technology Business Management)とは、コスト、消費量、ビジネス価値をリンクさせることで、組織がテクノロジーへの投資を最適化できるよう支援する価値管理フレームワークです。

SEの皆さまの中には、日々の業務で「クラウドの利用料が増え続けているけれど、どのプロジェクトで消費されているのか正確に把握しきれていない」「インフラの運用保守にかけている工数やコストが、経営層にはただの『維持費(コスト)』としてしか見られていない」といったもどかしさを感じたことはありませんか?

これまでのIT財務管理は、分散したハイブリッドクラウド環境において、スプレッドシートが乱立し、レポートがサイロ化するなど、限界を迎えていました。

TBMは、こうした課題を解決し、「ITチーム」「財務チーム」「ビジネス・チーム」を共通の言語と構造化されたアプローチでつなぎます。
具体的には、Apptioなどのツールを用いて、サーバー代、クラウド利用料、ソフトウェアライセンス、さらにはエンジニアの人件費といったIT支出(運用費と資本支出)を、標準化されたカテゴリ(コスト・プール)に分類し、さらにサーバーやネットワークといった機能カテゴリー(リソース・タワー)へとマッピングします。そして最終的には、それらがCRMシステムやデータ・プラットフォームといった「ビジネス向けの製品または機能(ソリューション)」として、社内外の誰に利用されているのか(消費者)までを可視化します。

これにより、私たちエンジニアが手掛ける「攻めのIT(AIOpsによる自動化やクラウド最適化など)」が、どれだけビジネスの成長に貢献しているのかを、信頼できるデータに基づいて経営層にアピールできるようになります。TBMは単なるコスト削減ツールではなく、影響力の高い投資に優先順位を付け、テクノロジーイニシアチブのROIを追跡し、IT部門の透明性と価値を高めるための強力な武器なのです。

※より詳しい内容は、IBMさんの記事「テクノロジー・ビジネス・マネジメントとは」をご参照ください。

3.参加レポート

本イベントは、「TBM Summit26 ~テクノロジー投資を経営につなぐ~」という全体テーマのもと、非常に熱量の高い講演やディスカッションが行われました。

【特別講演】生成AIで企業はこう変わる

生成AIにおける「エージェント化」の波が仕事や組織をどう変えるのか、その経済性についての最新知見が共有されました。AIが自律的に業務をこなす時代に向け、SEとしても技術のキャッチアップと投資対効果の考え方をアップデートする必要性を感じました。

【パネルディスカッション】経営課題としてのAI、セキュリティ投資―CIO・CFO・経営企画が向き合う意思決定の現実

AIやデジタル投資が加速する中、「どこに、なぜ投資しているのか」を経営視点で説明する難しさについて議論が交わされました。CIO・CFO・経営企画のそれぞれの視点から、ROIの可視化や投資優先順位といったリアルな課題が語られ、「攻めのIT」を実現するためには部門間の連携とデータの透明化が不可欠であることが強調されました。

【TBM方法論】IT投資管理の世界標準 テクノロジー・ビジネス・マネジメント(TBM)とは?

DX推進を持続的に成功へと導くTBMのアプローチについて解説がありました。人的リソースを含めたIT支出の可視化、クラウド環境のコスト最適化、AIのTCO(総保有コスト)管理など、インフラエンジニアにとっても重要なテーマが体系的に語られ、日本企業においてもTBMの実践機会が本格的に広がっていることが実感できました。

【事例講演Ⅰ】「守り」から「攻め」のIT投資へ

肥大化・複雑化したシステムによる保守費高騰という課題に対する全社プロジェクトが紹介されました。ApptioやTBMの考え方を活用して精緻なコスト可視化を行い、従来のボトムアップ型からトップダウン型のIT投資マネジメントへ移行したプロセスは、現場のSEにとっても「コストオーナーシップ」の重要性を考えさせられる内容でした。

【事例講演Ⅱ】TBMを文化に変える 数字の可視化から、行動変容へ

全社規模の膨大なIT投資においてコストの徹底的な可視化を達成した実績が発表されました。特筆すべきは、単なる可視化に留まらず、「認知科学的アプローチ」を用いて組織の文化として定着させ、社員の行動変容を促したという点です。組織の壁を乗り越えるための実装ポイントや成功・失敗のリアルな知見は、新たなツールを現場に定着させる上で非常に参考になりました。

【参加型セッション】あなたの会社では、どうですか? ライブ投票で考えるテクノロジー投資の意思決定

会場の参加者がリアルタイムで回答するライブ投票形式のセッションでした。「ITコストの可視化ができているか」「AI投資の判断基準は何か」といった設問に対し、他社のリアルな課題感や現在地が可視化され、自社の立ち位置を客観的に見直す良い機会となりました。

【事例対談】グローバルでのTBM活用の実践

グローバル規模の複雑なITインフラや膨大な投資をどのようにTBMで統一・可視化し、意思決定に活かしているのかという対談が行われました。金融業界特有の厳格なガバナンスとスピード感を両立させるための貴重な知見が得られました。

【基調講演】TBM成功事例

海外での先進事例として、TBM導入と定着の成功ストーリーが共有されました。グローバル金融機関がどのようにしてTBMを経営・IT部門の共通言語として定着させ、継続的なコスト最適化と戦略投資を生み出しているのか、スケール感のある事例が紹介されました。

【特別協賛講演】IBMが実践するAIオペレーティングモデル ― TBMとApptioによるAI投資管理

AIオペレーティングモデルを軸に、TBMの方法論とIBM/Apptioのソリューションを通じて、AI時代の投資管理のあり方と、自社実践「Client Zero」から得られた知見をご紹介されました。

まとめ:

今回の「TBM Summit 26」に参加して強く感じたのは、私たちが日々向き合っているシステム監視(Instana)やリソース最適化(Turbonomic)、インフラ自動化(Terraform)といった技術的アプローチが、TBMの考え方と組み合わさることで、企業の「攻めのIT」を経営レベルで強烈に後押しできるということです。

正直なところ、入社3年目のSEである私の頭の中は、これまで「いかに障害を出さずに安定運用するか」「システムを安全に維持するか」ということで精一杯になりがちでした。もちろん、それもエンジニアとしての非常に大切な役割です。ですが、AIやクラウドが爆発的に広がるこれからの時代、単なる運用維持にとどまっていてはダメなんだと強く気づかされました。

これからは、「自分が手掛けたこの技術がどんなビジネス価値を生み、コスト最適化やROI向上にどう貢献したのか」をデータで可視化し、経営層や事業部の方々と「共通の言語」で対話できる視点が絶対に不可欠になります。

現場の私たちが苦労して実現したパフォーマンス改善や運用の自動化も、ビジネス上の成果として数字で証明できて初めて、経営層から正当に評価され、「もっと新しい技術に投資しよう!」と認めてもらえます。そう考えると、TBMは経営陣のための難しい管理ツールなどではなく、「私たちエンジニアの努力と価値をしっかり証明して、現場を後押ししてくれる強力な武器」なんだと捉え直すことができました。

私自身も、そしてNI+Cとしても、単に便利なツールをお届けして終わりたくはありません。にこぷす(NI+C 運用高度化サービス)などを通じて、現場の運用改善と経営視点でのIT投資最適化をつなぐ「架け橋」になれるよう、これからも発信を続けていきます!

「にこぷす通信」について

「NIC × Ops(にこぷす)通信」は、隔週で皆さまに情報をお届けします。
このシリーズでは、Instana(可観測性)をはじめ、Turbonomic(リソース最適化)やTerraform(インフラ自動化)など、IT運用を劇的に変える製品をピックアップしていきます。
これからも最新の技術検証をチームで継続し、皆さまの現場ですぐに役立つ「有益な知見」を全力で共有していきます。 次回の連載もお楽しみに!

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