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【NIC x Ops(にこぷす)通信】(Terraform編)【連載】本当に買い?HCP Terraform Premiumをゆるっと検証 〜気になる「運用自動化」と「ガバナンス」ってぶっちゃけどうなの?(全6回)

投稿者:種田

【第1回】スモールスタートするのが普通な中で、なぜ最初からHCP Terraform Premiumを評価しているのか?

目次

  1. はじめに: Terraform Cloud(HCP TF)のプラン、どれにするか迷いません?
  2. アーキテクチャ:Google Cloud環境でHCP TF Premiumをフル活用
  3. 今後の連載予定: 第2回〜第6回までのロードマップを一挙公開!

皆さま、こんにちは!
このテックブログでは、IT運用に関する内容を連載、「にこぷす通信」をお届けしています。

「NIC x Ops(にこぷす)」とは?

NIC x Ops(にこぷす)』とは、
私たちの会社であるNTTインテグレーション(NI+C)の運用ノウハウと、
IBMさんの強力なソリューションを
Collaboration(コラボレーション)させた、IT運用高度化シリーズ(Ops)のニックネームなんです。

現代のIT運用の現場は、システムの複雑化や人手不足など、課題が山積みです。そんな現場を少しでも楽に、そしてエンジニアの皆さんが笑顔で「攻めの運用」ができるように支えたい。そんな想いがこの「にこぷす」には込められています。

「にこぷす」には、Instana(可観測性)のほかにも、Turbonomic(リソース最適化)Terraform(インフラ自動化)など、IT運用を劇的に変える製品がたくさんあります。

これからもこの通信を通して、「IT用語は難しいけれど、中身を知ればこんなに便利で面白いんだ!」というテクニカルな内容をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

1.はじめに: Terraform Cloud(HCP TF)のプラン、どれにするか迷いません?

まず、HCP Terraformの主要プランの機能差をおさらいしておきましょう。
無料枠である「Free」、中位の「Standard」、そして今回私たちが評価する「Premium」における「自動化」と「ガバナンス」の機能差を整理してみました(※なお、大規模組織向けのEnterpriseは今回の検証対象外としています)。

比較項目Free(無料枠)StandardPremium
管理リソース上限(RUM)500リソースまで制限なし(従量課金)制限なし(従量課金)
同時実行数 (Concurrency)310200
基本機能(VCS連携・State管理)
SSO(シングルサインオン)
アクセス制御(RBAC)組織内の一律なアクセス権のみカスタムロール(作業ごとの詳細な権限割当)カスタムロール(作業ごとの詳細な権限割当)
監査ログ(Audit Logs)◯ (誰が・何を操作したかの履歴保持)
Policy as Code(ガバナンス)制限あり
(1セット/5ポリシー)
制限なし制限なし
ドリフト検知(Drift Detection)◯ (手動変更の自動検知&通知)◯ (手動変更の自動検知&通知)
モジュール失効(Module Revocation)◯ (安全性の低いコードの利用を強制ブロック)
No-Code Provisioning
(GUIでのインフラ払い出し)
◯ (標準搭載)
Ephemeral Workspaces
(ワークスペースの自動消滅)
◯ (標準搭載)
  • 掲載しているプラン内容や仕様は、執筆時点(2026年7月)の情報に基づきます。

ご覧の通り、ベースとなるFreeプラン(500リソースまで無料)でもSSO(シングルサインオン)が使えたり、VCS連携やState管理といった基本機能は揃っています。

しかし、Freeプランは同時実行数(Concurrency)が「3」に固定されているという最大のネックがあります。チームの人数が増えたり、複数のCI/CDが同時に走るようになると、すぐにジョブが詰まって開発のボトルネックになります。ここがまず「Standard以上にステップアップする最初の境界線」と言えそうです。

では、Standardで満足していいかというと、表の下半分にある強力な機能たちが立ちはだかります。 今回、私たちが検証しようとしている「No-Code」「Ephemeral」に並んで、重要な省力化機能となるのが「ドリフト検知(Drift Detection)」です。

少人数でバタバタとスピード重視の開発をしている初期フェーズほど、「クラウド側のコンソールから手動で設定を変えちゃってインフラがブラックボックス化する」といった運用課題が起きがちです。これらを防ぐために、定期的に手動でplanを叩いたり自前でCIを組んだりする「人間が頑張って運用でカバーしなければいけない手数」を、Premiumの自動化によってどれだけ省力化できるか。これも今回の検証の狙いの一つです。

ちなみに、Premiumでは「モジュール失効(Module Revocation)」といった機能も用意されており、バグや脆弱性のある古い共通モジュールの利用をプラットフォーム側で強制的にロックする、なんてこともできるようです。組織が大きくなったときには、こうした事故防止のガードレールや、監査ログ(Audit Logs)、カスタムロール(詳細なRBAC)が効いてくるんだろうな、というのが表からも見えてきます。

今回のPoC(技術検証)の中ではPremiumのご紹介とともに、この費用対効果と、将来組織が大きくなった時にどこでStandardからPremiumへの移行が必要になるかという境界線(ロードマップ)を見極められればと思っています。

2.アーキテクチャ:Google Cloud環境でHCP TF Premiumをフル活用

今回のPoC(技術検証)にあたり、準備した検証環境の全体アーキテクチャがこちらです。

ローカルのVSCodeからGitHubを経由し、HCP TerraformからGoogle Cloudへデプロイするという、一見するとごく一般的なパイプラインです。

ポイントは、中央のHCP Terraform(Organization)の枠内。 今回検証していく「No-Code」「Ephemeral Workspaces(自動消滅)」「ドリフト検知」、そして後々効いてくる「RBAC(アクセス制御)」や「監査ログ」といったPremiumの機能たちが、この中にギュッと詰まっています。

この環境をベースに、具体的にどんな検証を行っていくのか、今後のロードマップをまとめました。

3.今後の連載予定: 第2回〜第6回までのロードマップを一挙公開!

ここまでは概要をお伝えしてきましたが、次回からはより実践的な「Premium機能の活用術」へと突入します!

「インフラ知識が浅いメンバーにどうやって環境をセルフサービス化してもらうか?」「本番環境の手動変更(野良変更)をどう防ぐか?」「検証環境の消し忘れによるお財布へのダメージをどう減らすか?」など、現場のリアルな課題を解決する機能を実際に触ってレビューしていきます。

気になる今後のロードマップを一挙に公開しますので、ぜひブックマークして運用のヒントにしてください!

  • 【第2回】【とりあえず見て】Premiumの管理画面をスクショで一挙大公開するツアー
    • Premiumを触ったことがない人に向けて、どんな設定画面があって何ができるのかをスクショで紹介します。
  • 【第3回】コード書かずにインフラ作れる?「No-Code Provisioning」をポチポチしてみた
    • 「No-Code Provisioning」を使って、インフラ知識が浅いメンバーでも本当にセルフサービスで環境を作れるのか試してみます。
  • 【第4回】コンソールから勝手に弄った奴は誰だ。ドリフト検知で「野良変更」は許さないよ
    • 本番運用の大敵「野良変更(手動でのコンソール操作)」を、HCP TFがどうやって検知してアラートを出してくれるか試してみます。
  • 【第5回】消し忘れよ、さようなら。時間が来たら自動で消える「環境爆破機能」が超便利だった
    • 不要になった検証環境の消し忘れを防ぐ「Ephemeral Workspaces」のタイマーと挙動を確認します。
  • 【第6回】セキュリティはCI(Checkov)で、お財布事情はSentinelで。賢い使い分けとSentinelを動かしてみた
    • ガバナンス(ルールチェック)をどう自動化するかの設計案のご紹介と、実際にSentinelポリシーを動かしてみます。

「にこぷす通信」について

「NIC × Ops(にこぷす)通信」は、隔週で皆さまに情報をお届けします。
このシリーズでは、Instana(可観測性)をはじめ、Turbonomic(リソース最適化)やTerraform(インフラ自動化)など、IT運用を劇的に変える製品をピックアップしていきます。
これからも最新の技術検証をチームで継続し、皆さまの現場ですぐに役立つ「有益な知見」を全力で共有していきます。 次回の連載もお楽しみに!

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